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昨今人気となっているDIYですが、賃貸住宅にも取り入れを始めて年々注目度が増えています。
背景としては、人口減少が進み、空き家率の上昇の問題がありました。
一般的には、貸主が入居者募集のためリフォームをし、借主では自由にリフォームすることは出来ませんでした。
貸主がリフォーム費用の負担するのが難しくなかなか借り手が見つからないこともあり空き家増えてきました。
この状況を受けて、借主負担DIY型の賃貸を普及するために国土交通省から2014年6月にDIY型賃貸のガイドラインが発表されました。
今注目されているDIY型賃貸の貸主と借主のメリット・デメリットについて解説していきます。
目次
一般の賃貸借契約との違い
一般的な賃貸借契約の場合は、借主が入居前に貸主の負担でリフォーム・修繕工事をします。退去になった際に借主負担で故意・過失による箇所があれば部屋の原状回復する必要があり、経年劣化や自然損耗については、貸主が負担することになります。
原状回復のガイドラインはありますが、実際は、どこまでが借主の過失か、どこまでが自然な経年劣化による損耗かをめぐる問題も起きています。
また自然な経年劣化などによる修繕は貸主負担のため、これが負担となり最低限の修繕のみや修繕せずに賃貸募集をしてなかなか入居者が見つからず、空き家が目立っていました。
このような状況を考慮して、借主がDIYをして自分の好みに合った部屋にリフォームして入居するスタイルを推奨し、貸主が修繕する負担も軽くなり、借主の希望もマッチが出来て空き家に借り手が増えてきました。
貸主のメリット
- リフォームや修繕費を負担しなく募集が出来る
- 退去時に設備等の価値が上がる可能性がる。
- 借主は自分の好きな部屋に住めるため長期入居が見込める
貸主は費用負担がなく、借主負担で自分好みのお部屋になるので、愛着も湧き、長く住める部屋になります。
貸主のデメリット
- 借主の好みでリフォームするために、次の借主が見つかりにくい可能性がある
- 相場よりも低い家賃設定になる可能性がある
借主がリフォーム費用を負担する分、相場の家賃より低いこともメリットとして考えるため、家賃を低くしないと借りてくれない可能性があります。
借主のメリット
- 自分の好みにあった部屋に住める
- 家賃が相場よりも安く借りられる
借主は自分好みでデザインが出来るというところが魅力です。
貸主のリフォーム費用の負担がないので家賃を安く抑えて借りれます。
借主のデメリット
- 修繕費用が高くなることもある
- 自分一人でDIYすると安全性に不安がある
電気工事などを素人が行うと、漏電などによって火事になる可能性もあります。
費用を抑えるためでも、安全性を重視し危険性のある工事は必ず業者に依頼する必要があります。
DIY型賃貸借の契約時の注意点
事前に工事内容の確認や退去時の原状回復の取り決めを行わなければトラブルになってしまう可能性がありますので、注意が必要です。
DIY型賃貸借の契約は、通常の賃貸借契約書で交わしますが、特約にDIY工事部分における修繕や原状回復等について承諾書や合意書の規定に従う事を追記が必要です。またそれに伴って追加書類を取り交わすという違いがあります。
DIY型賃貸借の追加書類
国土交通省から公表のDIY型賃貸借に関する契約書式例やガイドブックを参照にしてください。
取り決め事項
所有権
貸主から借りますので、借主が行った工事部分の所有権がどちらにあるのかを事前に決める必要があります。
DIY工事中
DIY工事で、騒音で隣人などに迷惑や損害を与えた場合の責任の所在を明確にする必要がります。
また事前に工事期間・工事内容などを周囲に告知をしてトラブルを避ける様に気を付けてください。
貸主は事前にDIY工事の内容や図面があれば確認をして把握しておくのも重要です。
入居中の修繕
入居中の修繕をどちらが行うかを明確にしておきましょう。
借主が施工した工事部分については、借主が修繕するのが妥当です。
退去時の原状回復
退去時に工事部分について残置か撤去かを取り決める必要があります。
残置する場合は、原状回復義務はなくなりますが、自然損耗や経年劣化やそれ以外の工事部分の補修が必要なる場合は事前に取り決めることが必要です。
精算
DIY工事を行った場合には、貸主に買取(造作買取)費用の精算の有無についても予め決めておきます。
DIY型賃貸借では、原状回復を免除したり、家賃を安くしたりする代わりに費用請求を放棄することもあります。
精算が有りでサブリース(転貸借)の場合は、貸主(転貸人)か建物の所有者か明確にしておく必要があります。
まとめ
DIY型賃貸借は、実際にUR賃貸でも人気があり、マンションや戸建てでも取り入れている家主様が増えています。
空室対策として注目されていますが、メリットとデメリットをしっかりと理解する必要があります。
ますます普及していくことが予想されますが、事前に国交省が発表している「DIY型賃貸借のすすめ」を参照にしていただき、空室対策のひとつの手段として有効活用できるのではないでしょうか。
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