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相続が出来ないことあるの?「相続放棄」・「相続欠格」・「相続廃除」の違い&相続手続きの注意点
法定相続人の立場であっても相続人の事情によって相続しないヶ―スがあります。
考えられる場合は、「放棄・欠格・廃除」の3つです。どうのような違いがあるのか、法律上の手続きと注意点を合わせて解説します。
目次
相続放棄とは
相続人の意思により、被相続人の財産すべてを相続して引き継ぎことをしない選択をすることです。財産とは、「プラス財産」現金・預金・不動産・有価証券など、「マイナス財産」
借入金・債務などの2つがあります。
被相続人の借金が多すぎて相続してもマイナスしか残らない場合や相続したくない財産があるの場合に選択される事が多いです。
相続放棄する期間
相続の開始を知ってから「3ヶ月以内」に家庭裁判所に申し立てを行わなければいけません。
この期限を過ぎてしまった場合は自動的に借金などの負債も一緒に相続することになります。
相続欠格とは
推定相続人が、自分が有利な相続ができるようにするために違法行為を行った場合は、欠格事由になります。
「相続人として認めるのは相当ではない」と判断されれば、一切の財産を相続する権利がなくなります。
民法には下記の5つの欠格事由が定められています。
- 故意に被相続人や先順位・同順位である相続人を死亡に至らせる、または至らせようとして、刑に処された場合
- 被相続人が殺害されたと知りながら、告発や告訴をしなかった場合
(ただし、加害者が相続人の配偶者や親、直系である子供などの場合は例外です。) - 詐欺・脅迫により被相続人の遺言を、「撤回・取消・変更することを妨げた」場合
- 詐欺・脅迫により被相続人の遺言をさせて、「撤回・取消・変更させた」場合
- 遺言書の偽造・変造・破棄・隠ぺいした場合
相続欠格になるとどうなるの?
欠格に該当された場合は、裁判手続きなどせずに、相続する資格を失います。
相続発生後に欠格者となった場合でも相続する時点に戻って相続する資格を失います。
さらに遺産相続だけでなく、遺留分も請求できません。
ただし、代襲相続は発生します。推定相続人が欠格者となった場合は、被相続人の孫(推定相続人の直系子供)が遺産を受け継いで相続することが可能になります。
相続廃除
推定相続人から被相続人に対して虐待や重大な侮辱行為など加えたとき、被相続人が家庭裁判所に申立を行うことで相続権を剥奪することができます。
相続欠格とは違いは、被相続人の意思で家庭裁判所に申立をして相続権を剥奪します。
また遺言によって相続人廃除をすることも出来ます。
相続廃除になるとどうなるの?
推定相続人の廃除をされた場合にも、相続欠格と同様に相続する資格を失います。
ただし、ただし、代襲相続は発生します。代襲相続人がいない場合は、次順位の相続人に移ります。
また、相続欠格とは違い、相続人の廃除は取り消すことができます。
被相続人はいつても家庭裁判所に廃除の取消を請求できます。
遺言で取消をした場合、遺言執行者は、遅滞なく排除の取消の申し出を家庭裁判所に請求しなければなりません。
相続廃除の「生前」「遺言」手続きの流れと注意すべき点
相続人廃除は、被相続人が生前か遺言でしかすることはできません。
手続きについてみていきましょう。
〇 生前廃除
被相続人は、推定相続人の廃除を家庭裁判所に申し立てすることが出来ます。
廃除が認められるには、推定相続人からの虐待、重大な侮辱など立証しなければいけません。
裁判所から廃除決定すると家庭裁判所から審判書と確定証明書が発行されます。
それを役所で提出すると戸籍に「相続廃除」と記載されます。
手続きの流れは下記になります。
1、家庭裁判所で「推定相続人廃除の審判申立書」をもらい、記入する
2、被相続人の住所を管轄している家庭裁判所へ審判申立
【必要書類】
- 推定相続人廃除の審判申立書
- 被相続人の戸籍謄本
- 廃除したい推定相続人の戸籍謄本
【手数料】
- 800円分の収入印紙
3、審判確定
- 審判書謄本と確定証明書の交付
4、10日以内に被相続人の戸籍がある市区町村役場に書類を提出し廃除の届出。
【必要書類】
- 推定相続人廃除届(役所)
- 審判書謄本
- 審判確定証明書
5、推定相続人の戸籍に相続廃除と記載され完了
〇 遺言廃除
遺言書によっても廃除することができます。
気を付ける点は、「遺言執行者」が廃除の取消を家庭裁判所に請求しなければいけませんので、遺言執行者を指定しておきましょう。
指定されていない場合は、相続人が執行者の選任を申し立てすることになります。
手続きの流れは下記になります。
1、被相続人の生前に相続廃除について遺言書に記載する
【遺言書の記載事項】
- 遺言執行者の名前(生前に承諾をもらう事が望ましい)
- 相続廃除する推定相続人の名前
- 相続廃除の理由を具体的に記載する
2、相続が開始後、遺言執行者などが「推定相続人廃除の審判申立書」を記入する
3、被相続人の住所を管轄している家庭裁判所へ申立をする
【必要書類】
- 推定相続人廃除の審判申立書
- 被相続人の戸籍謄本(被相続人の死亡が記載)
- 廃除したい推定相続人の戸籍謄本
- 遺言書の写しまたは遺言書の検認調書謄本の写し
【手数料】
- 800円分の収入印紙
4、審判確定
- 審判書謄本と確定証明書の交付
5、遺言執行者などが、10日以内に被相続人の戸籍がある市区町村役場に書類を提出し廃除の届出
【必要書類】
- 推定相続人廃除届(役所)
- 審判書謄本
- 審判確定証明書
6、推定相続人の戸籍に相続廃除と記載され完了
〇 排除の注意点
廃除を認められるためには、客観的(虐待・侮辱など)証拠が必要となります。
しかしなかなか証拠集めは難しいものですが、普段からしっかりと証拠を集める必要があります。
また遺言書にどのような理由(暴力・侮辱行為・虐待)で相続人廃除をしたい具体的に記載しておくことも重要です。
まとめ
相続放棄・欠格・廃除の3つの違いを説明しました。
特に法定相続人の中に欠格者や推定相続人の廃除をされている人がいると、相続でトラブルが起きる可能性は高くなります。明らかに刑に処されて欠格になった場合など以外で、遺言書を隠蔽、破棄、脅迫、詐欺などは、本人が認めないケースがほとんどです。
出来るだけ事前にトラブルを解決するためにも、早めに専門家に相談することも必要です。
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