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法人を利用した所得税の節税 ~賃貸経営の税金負担の問題~
賃貸住宅所有者の税金負担に関する悩みは、大きく分けると2つあります。
- 家賃収入は変わらないか、むしろ下がってきているのに税金の負担が次第に大きくなってきたのはなぜか?
- 相続対策で賃貸不動産を建てたけれども本当に対策になっているのか?
普通に考えれば収入が減れば所得は減るはずだが、賃貸経営においては、家賃収入が減る一方で不動産所得は増えていくことがある。
また相続税の節税対策として賃貸不動産の建設をしたもののそれから10年、20年と年数が経ってくると対策の効果が持続しているのか気になるところです。
賃貸経営していく上で、税金負担を軽減する節税が重要になってきます。
法人化した方が良いのかなどメリットやデメリットがあります。
今回は、まず賃貸経営の税金負担がどのような悩みがあるか説明します。
目次
税金負担が大きくなっていくのはなぜか
不動産所得が増える理由は2つあります。
「減価償却」「支払利息」が減っていくことです。
経費の中でも大きな割合を占めています。
① 減価償却費の減少の理由
建物や不足設備などは、一般的に時の経過によってその価値が減っていきます。
このような資産を「減価償却資産」といいます。
この減価償却資産は、取得した時に全額必要経費になるのではなくその資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費となります。
この使用期間が法定耐用年数で定められています。
減価償却の詳細はコチラのブログをご覧ください。
耐用年数が過ぎれば減価償却費が無くなりますが、実際は建築後15年経過すると償却費が減少することが多いです。
これは付属設備分の償却費が15年を経過くらいでなくなることが多いためです。
いま税金負担が少ない所有者も現在の減価償却費が大きいからそうなているだけという場合が多く、何年かすると償却費が減ってきて、たちまち所得が上がり、税金が増えることになります。
② 支払利息の減少の理由
借入金の返済方法で代表的なものに「元利均等返済方式」「元金均等返済方式」がある。
どちらの返済方法も支払い利息が徐々に減っていくことになります。
経費となるのは利息分のみのだめ、経費が減っていくことで所得は上がり、税金も上がることになります。
本当に節税効果になっているのか
不動産所得はその構造上、年数経過とともに当然ながら増えていくことになる。したがって当初からあるいはある時点から不動産所得を減額する対策を検討する必要がある。
以前であれば賃貸物件を新築で建設することや投資用のマンションを購入することが対策の1つとなっていました。しかし、現在ではこれらの対策効果はあまりありません。
理由は、減価償却するのに定額法での計算になり、早い段階で経費を大きく使って所得を減額させることが出来なくなったからです。
この所得に対する税金は、所得税、住民税、事業税があります。
所得税は課税所得(収入から経費を差し引いたもの)に応じた累進税率で、税率は5%~45%になります。住民税は所得にかかわらず一律10%です。
この2つの税金を合わせると税率は15%~55%となります。
たとえば課税所得が900万円弱の場合、減価償却費が無くなり所得が100万円増えたとすると、所得税33%+住民税10%の合計43%になり、税金が43万円増えることになります。
このように高い税率部分の所得を抑えて適用税率を低くすることが、毎年の節税対策となります。
またハウスメーカーや不動産業者が「借入をして賃貸不動産を建てると相続税の節税になりますよ」という営業トークがあります。
固定資産税評価は建築費の40~70%というのが一般的で、さらに賃貸にすると30%評価減にできます。
土地も賃貸住宅となれば更地評価からおおよそ20%評価が下がります。
この様なこともあり、相続税対策のために賃貸住宅を取得することも多くあります。
ただし建築した初年度が最も節税効果が高く、経過年数毎にその効果が薄れていきます。
まとめ
賃貸住宅を所有していても年々税金負担が増えて、節税効果が小さくなります。
本当に節税効果になっているのか、仕組みをまず理解することが大切になります。
次回では、法人化して所得を法人に分担することで賃貸経営の健全化を図るためにどういったデリットがあり、節税効果があるのかご説明いたします。
弊社では賃貸管理専門の会社として賃貸経営のコンサルティングをしております。
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